2008年10月04日

◆「我慢する」ということは、「考える」こと。

日経ビジネスオンラインでコラムとして連載されているアニメーション監督・高橋良輔氏の言葉です。


スタジオジブリを率いる宮崎駿氏、『機動戦士ガンダム』を世に送り出した富野由悠季氏と
いった天才たちと同時期に虫プロダクションに入社。


天才たちに囲まれる中、いたって「普通の人」だった高橋監督が、厳しいアニメーションの
世界をどのように渡り歩いてきたのかを「働き方」に焦点をあて、対談形式で連載されています。


下記はその一部です。
【日経ビジネスオンライン「“アンチ天才”のボトムズ流仕事術」より】

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組織の中で「自分の立ち位置」を考えるって、ものすごく必要なことだと思うんですよ。
そうすると、自分が「味」で勝負するのに必要なものが見えてくるんです
そうすると、入った会社をすぐに辞めたいとは思わなくなるんですね。


会社の中に、「それが正しい」という1つのルール、権力があって、
自分の考え方に合わないことをがっと言われる、押しつけられると
いったときがありますよね。


そんなときにすぐに「やりたくありません!」とカッとなって、
ぱっと会社を辞めてしまうとか、社会通念で言うところの
反論以上の反撃をするというのは、ちょっと損してると思うんだよね。


カッとなるのは、我慢をしないから。我慢が利かないということは、
その人が考える努力を放棄している、ということなんですよね。


我慢というのは耐え続けることそのものじゃなくて、その間ずっと
「本当にこれで良いのか」と考え続けることなんですね。


よくキレるというのは、考えた結果キレているんじゃないですね。
考える力がなくなれば、我慢が利かなくなる。


考えた結果、我慢する必要がないというところに至れば、
何らかの行動が必要ですけれども、そうじゃなくて、
脊髄反射しちゃうのでは考えていないですね。


会社というのは、辞めるか辞めないかの二択しかないわけでは
ないと思うんですよ。


自分が置かれている状況を、どの「幅」の中で許容するか。
そういう思考をした方がいいと思うんだよね。


人間関係だって、この人とのつき合いはどこまでの幅なら楽しいか、
どこまで近づけばうざったくなるかを考えるでしょう。会社も同じ。


本当は自分の中にだって、0か100か、白黒だけでは計れない
グレーゾーンがいっぱいあるんですよ。


グレーゾーンがある、ということが、頭の中で明確に意識されていないから、
日常生活でも白黒はっきりつけたい、という気持ちになっちゃう。


考えることが苦痛な体質になっちゃうと、難しいですけどね。
それでも、ちょっと考えることが必要だと思うんですね、自分の頭で。


会社でこの人が自分に何を言っているか、これだけ言う後ろには何があるか、
と考えると、少なくとも、それが我慢の本質ではないかもしれないけれども、
そこにクッションが入ると思うんですね。


クッションの幅がない、考える余地がない、ということが、
我慢が利かないということだと思うんです。


グレーな世界の中で、色が薄いには薄い理由があるし、
濃過ぎるには濃過ぎる理由があるから、その理由を考えれば、
少なくとも辞めるか辞めないかの二択にはならない。


個人の立ち位置というのは「自分と会社」だけじゃなくて、ダブルスタンダードと
言うと言葉が悪いけど、「自分の個人的な価値観」と「会社的な価値観」と
「社会とのつながりの中での価値観」というのと3つくらいあっていいのではと。


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何で我慢が必要と言われるのか、本当の意味での自己分析って
どういうことなのか、柔軟性とは何なのか、仕事と人生を考えるヒント
になる部分が多い気がします。


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Posted by 【スローキャリア事務局】 at 23:02│Comments(0)
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